マイホームに床暖房は必要か?

冬でも素足であたたかい。そんな床暖房に憧れますよね?
今回は、本当に床暖房は必要なのか?について私の考えを書きたいと思います。

結論から申し上げると、『床暖房は必要ない』と考えています。

多くのハウスメーカーでも、床暖房を標準採用するモデルが人気で、あたたかい家というのを売りにしています。
床暖房の特徴としては、体が直接触れる足の裏に対して、直接温かさを感じられるということ。これにより、ユーザー側も確実に『あたたかい』と感じることができ、満足感のアップにつながるのです。
これがハウスメーカが床暖房を標準採用する理由です。

床暖房が無かった場合、冷たい床と足が直接触れることで、室温よりも寒く感じてしまいます。
これでは、どんなにエアコンなどの暖房器具であたためようとも、寒さを感じる原因となるのです。

では、少し考え方を変えましょう。

そもそも床が冷たくなかったとしたら?
床の表面温度が室温と同じ25℃程度であれば、そんなに冷たいと感じることは無いはずです。

そうなんです。室内の空気の温度に対して、圧倒的に床が冷たいことが寒く感じる原因なのです。
一般的に床材の見えない裏側には断熱材が入っています。その断熱材の外側は外気です。
つまり、床の断熱性能が重要であって、そこをしっかり補強してあげることで、外から冷たい温度が伝わりにくくなります。魔法瓶のようなイメージです。

そのためには、壁や窓といった外気に接するほかの部位も、同じように断熱性能を上げる必要がありますが、そうすることで魔法瓶のような家が出来上がります。
少し温めれば、床・壁・天井が保温してくれて、どこを触っても室温とほぼ同じ温度に保ってくれます。

そんな魔法瓶みたいな家がいいですが、価格も高いんじゃないの?と思っていませんか?

私の意見としては、床暖房を付ける費用はすべて断熱性能に振り分けるべきだと思いっています。
加えて床暖房の場合は、使用している間は常に電気代がかかります。
つまりランニングコストです。
床暖房の設備費としてのイニシャルコストと、電気代のランニングコストを考えれば、断熱性能をアップさせることはむずかしくありません。

そういった意味で、床暖房は必要ないと考えています。

床暖房の代わりに断熱性能をアップする利点はもう一つあります。
それは夏の冷房です。

先ほどから出ているように、イメージは魔法瓶のような家です。
夏でも外からの熱は伝わりにくく、エアコンで冷やした空気はそのまま保温してくれます。
つまり電気代が少なくて済むのです。
ランニングコストに関しては、断熱性能を上げることで1年中メリットがあるのです。

そうして出来上がった高断熱住宅は、家中どこでも同じような温度をキープすることができ、床が冷たいなど部材による温度差もほとんどありません。
これによって体への負担は極力少なくなり、健康的に暮らせる家にもなるのです。

ヒートショックという言葉を聞いたことはありませんか?
冬の温かいリビングから、寒いお風呂へ移動し、熱いお湯に入る。
その時、体の中では急激な血圧の変化が起こり、心筋梗塞や脳卒中などの引き金となるのです。

このヒートショック、実は交通事故で亡くなる方よりも多いのです。

マイホームは金額の大きな買い物です。それによって見えなくなるものも多くあるのが事実です。
本当は何にお金をかけたほうがいいのか?少しでも参考にしていただければ幸いです。

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