同じ室温なのに冬寒く、夏暑く感じるのはなぜ?

結露

最近、寒いですね。特に今年は昨年よりも格段に寒くなっていますね。
我が家は鉄筋コンクリートのマンションなのですが、エアコンつけっぱなしで市室温25℃の設定としています。
最近の寒波の影響が凄まじく、室温25℃でも寒く感じてしまいます。

皆さん、夏と冬で同じ室温でも感じ方が違うと思ったことはありませんか?

私の場合だと、冬25℃でも寒く感じますが、夏は25℃だと少し暑く感じます。服装も夏と冬で違うのに、同じ室温でも冬寒く夏暑く感じるのは何故でしょうか?

これには熱が伝わるメカニズムである3つの要素が関係しています。

スポンサーリンク

◆熱が伝わる3つ要素とは?

熱が伝わる仕組みは3つあります。
伝導、対流、放射とあり。それぞれ熱エネルギーの移動特性が異なっています。

例えば伝導

物体から物体へ熱が直接移動することです。

例えば、手のひらで氷を触って冷たいと感じるのは伝導によるものです。
他にも、フライパンに置いたお肉が焼けるのも伝導による熱移動です。

次に対流です。

これは空気や水などの流体を介して熱が移動することです。
空気や水は温まると軽くなり、冷えると重くなる特性があります。
これにより空気や水が熱と共に移動することで、次の物体に熱を伝えるという仕組みです。

最後に放射についてですが、これが一番イメージしにくいかもしれませんね。

放射は物体や空気を介さず熱を伝えることです。

1番わかりやすいのは太陽。
空気の無い宇宙空間を挟んでも暖かいのは、光などの電磁波として熱が移動しているからです。

熱いコップに触れなくても、近くに手をかざせば熱が伝わってきますよね。
赤外線ヒーターなんかもそうです。

実は、同じ室温でも冬寒く夏暑く感じるのは、この放射がキーポイントとなります。

スポンサーリンク

◆放射による体感温度の違い

夏と冬で室温が同じだとして、それ以外に何が違うのでしょうか?

それは外気温です。

外気温は少なからず、窓や壁を伝って室内に熱を伝えます。つまり、夏と冬とでは壁の温度が違うのです。

例えば冬の場合、室温が25℃だとしても、壁の温度が15℃とかだったりするわけです。その冷たさが放射によって体に伝わって寒く感じてしまうのです。
※体の熱が奪われるとも考えられる

冬の底冷えは、エアコンなどの暖房器具だけではなかなか防げないのです。

夏はその逆で、30℃の壁の熱を感じてしまう。これが放射による体感温度の影響です。
エアコンを使っているのに熱中症になる原因の一つはここにあります。

◆冬の底冷えを解消する方法は?

私も冬の底冷えによって、手足が冷えてつらいです。
これを解消する方法は無いのでしょうか?

ズバリ、壁の温度を上げれば解決します。

答えは簡単なのですが、実際やろうとすると難しい。

これから新築を建てる人は、必ず断熱材を気にしてください。これが一番の方法です。
すでに建ててしまった人。私のように賃貸の人はどうすればいいでしょうか?

熱の侵入は壁と共に、窓も大きな要因です。

特にシングルガラスの窓の場合は、ガラス面の温度はほぼ外と同じと思ってください。ペアガラスであっても、壁の断熱性と同等かそれ以下となります。

この窓を改修することが、冬の底冷えを解消する最も簡単な方法なのです。

◆窓の改修方法とは?

では、どのように寒い窓を改修すればいいのでしょうか?
それは、内窓を設置することです。

窓メーカーのYKKであれば『プラマード』
LIXILでは『インプラス』という商品があります。

それぞれ『今ある窓を残したまま、その内側にもう一つ窓をつける』ことができます。

窓ガラスはシングルガラス、ペアガラスが選べますがペアガラスにしてください。
これにより、ペアガラスの断熱性能はもちろん、既存の窓との間に空間ができます。この空間があることでも断熱性が上がります。

◆内窓はシングルガラスでもいいいのでは?

既存の窓ガラスと内窓の二重窓になりますので、内窓はシングルガラスでもいいのでは?と思うかもしれません。

ガラスが2枚あることと、ペアガラスとでは性能に違いがあります。細かいことは割愛しますが、新築においてはトリプルガラスを採用するケースも増えてきております。

ここはケチらず、せめて内窓だけはペアガラスを入れるようにしてください。

◆トリプルガラスが増えてきた理由

最近の新築事情として、トリプルガラスを採用するケースが増えてきました。
その理由として、昨今の省エネ基準にあります。

省エネ基準から考えた場合、壁の断熱材は柱のサイズと同等の10㎝が最低基準となってきます。
この壁断熱10㎝と同等の断熱性能を窓に求めると、トリプルガラスが必要になってくるのです。
もはやペアガラスは時代遅れなのですが、省エネ計算上は他の部位を強化すればクリアーしてしまいます。

ですが、冬の底冷え問題を解決しようと思えば、窓の断熱性能を上げる必要があることは、皆さんお気づきですよね?

◆まとめ

ということで、最後にまとめをしたいと思います。
現在の住宅事情では、トリプルガラスが普及しはじめています。
その理由は壁の断熱性能と同等にすることで、冬の底冷え問題を解決すること。

冬の底冷え問題の真の原因は、放射による体感温度の違い。
これは暖房器具による空気の温度を上げることでは解決せず、壁及び窓の断熱性能を上げるしかない。

既存住宅においては、内窓を設置することが最も効果的。

効果的と書いたのは、費用対効果が最も高いリフォームとなります。
工事内容としても、既存の窓枠にもう一つ窓を取り付けるだけなので、工事時間としては1か所1時間ぐらいじゃないでしょうか?
何かを取り壊したり、加工したりすることもないので時短かつ低コストでリフォームが完了します。

もし冬の寒さにお悩みの方がいらっしゃいましたら、内窓を付けることをおススメします。
全然違いますよ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました