農地転用:地目が変わるのは家を建てた後

土地には『宅地』や『田』など、何かしらの地目が設定されています。
住宅を新築する際には、宅地でなければ建てることができません。田や畑などの農地の場合は、農地転用をする必要があります。
今回は農地転用の流れについて解説します。

スポンサーリンク

まずは農地転用申請

マイホームの建築がスタートする前に、農地転用の申請をします。農地転用は、土地家屋調査士にお願いすれば対応してくれます。

農地転用とは『田』や『畑』などの農地を『宅地』に変えることですが、すべての農地が農転できるとは限りません。自由自在に農転できると、農地が無くなってしますので。
自治体によっては農業振興地域や市街化調整区域に設定されていれば、簡単に農転することができません。

スポンサーリンク

農地転用しただけでは宅地にならない

農地転用の申請は建築前に必要ですが、申請するだけでは宅地へ地目が変更されることはありません。
地目が変更されるのは、建物が完成し登記した段階です。

農地転用は、あくまでも住宅を建てることを目的に宅地への転用を許可するものです。
建物ができて、初めて農地から宅地へ地目が変更されるのです。

このあたりが、よく勘違いされるポイントです。
建物ができるまでは、農地転用の許可証が宅地になることへの証明書となります。

住宅ローンの金消契約に間に合わない場合も

住宅ローンの資金実行をするための金消契約(金銭消費貸借契約)において、書類作成時に宅地への地目変更が間に合わない場合も多いです。
なぜなら、建物完成から引渡しまでの期間に、それほど余裕がないからです。

住宅ローンを借りる上では、建物を建てる土地が『宅地』であることが鉄則です。
ですが、農転をした場合の地目変更は表題登記と共に行うようになります。

この表題登記は建物が概ね完成した段階から行うことができるのですが、住宅ローンの最終書類を記載している段階では完了していないことが多いです。
金融機関からは宅地に変更済みの謄本(全部事項証明書)を求めらるると思いますが、無ければ登記申請した際の受領証をもって代わりとすることができます。

金融機関の担当者によっては理解していない場合も

今回私が住宅ローンをお願いした金融機関は、妻の会社の福利厚生の一環として紹介された会社です。
フラット35の専門金融機関で、金利も他より低かったので選びました。

この金融機関、おそらくですがローンの取り扱い件数が非常に少ないのではないかと思います。
担当してくれた方は、肩書が参事となっていましたが、この農地転用の流れを理解していないようでした。そのため、再三にわたって宅地への地目変更済み謄本を求められました。

私は融資関係は専門ではないものの、住宅設計を15年やっているプロです。
建物が建たないと、地目が宅地に変わらないことは知っていました。ここはガツンとやっつけてやりましたが。

このように、金融機関の担当者レベルによっては、マニュアルの通りにしか動けない人もいますので、農転の大まかな流れは理解しておいて損はありません。

まとめ

農地転用に関して知っておくべきことは、主に5つ。

1.住宅は農地にしか建てれない
2.建築前に農地転用の申請が必要
3.地目が宅地に変わるのは建物が完成してから
4.地目変更前なら登記申請の受領証で代用可
5.金融機関の担当者レベルによっては理解していない場合もある

これだけ知っておけば、住宅ローンの最終段階でごたつくことはないと思います。
また、難しいことがあれば、担当の土地家屋調査士に入ってもらえば解決するでしょう。

住宅を建てるためには、様々な分野の人が関わります。
それぞれの専門分野以外のことは、意外と知らないものです。
それを踏まえたうえで、おおまかな流れだけは理解しておきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました