冬の風が強い日、いつもより一段と家の中が寒く感じることはありませんか?
そこには気密性との関係が大きくかかわっています。
本日は、風によって室温が低下するメカニズムと気密の重要性について解説します。
すきま風が原因
当然ですが、冬に窓を開けていれば寒いですよね。
換気は新鮮な空気を取り込むという側面もありますが、『暖かい空気を捨て、冷たい空気を入れる』ことでもあります。
同じようなことが隙間風でも起こります。
冷たい隙間風が入るということは、どこからか暖かい空気が出て行ってるということ。
せっかく暖房をしていても、隙間風があれば室温は上がらず寒いままです。
風の強い日は隙間風による換気量が増える、ということなのです。
すきま風はどこから入る?
そんな隙間風ですが、一体どこから入って来るのでしょう?
多くは窓まわりであり、サッシ自体の隙間などから入ってきます。
他にも、床下に入った風は畳の隙間から出てくることもありますし、壁を伝ってコンセントまわりから噴き出すこともよくあります。
コンセントプレートの周りをよく見て下さい、そこだけ壁が黒ずんでいたりしませんか?
それは隙間風の通り道であることの証拠です。
とにかく、家は隙間だらけであり、あらゆるところから隙間風が入ってきます。
高気密住宅なら隙間風は入らないのか?
最近よく耳にする高気密・高断熱住宅。
気密とは建物の密閉性であり、その性能が高ければ隙間風が少ないことを意味します。
ただし、高気密住宅であれば隙間風が無いのか、と言われればそうではありません。
気密性能を表す数値にC値というものがあります。
C値は建物の隙間相当面積であり、小さいほど隙間が少ないことを表します。
高気密であることの基準は諸所ありますが、C=1.0は切りたいものです。
C値の単位は㎠/㎡なので、床面積100㎡(約30坪)の場合100÷1.0=100㎠となります。
つまり、家中の隙間を集めると10㎝角の大きさになるということです。
最近では高気密化の技術も進み、C値が0.5や0.3といった住宅も珍しくありません。
ですが、C値が0でない限り隙間は存在するということです。
ただし、限りなくC値を0に近づけることで、強風時の温度変化は小さくなります。
ちなみに、私の家はC値0.3ですが、それでも強風時には平常時に比べて室温が1~2℃下がります。
まとめ
強風時は風上では圧がかかり、風下では圧が下がります。
そこに隙間があれば隙間風が発生し、それが強風時に室温を下げる原因となります。
C値が限りなく0に近い高気密住宅であっても、わずかな隙間が風の影響を受けます。
ただし、限りなく隙間風が少なくなるので、強風時であっても影響は限定的となります。
断熱材に注目が行きがちですが、気密あっての断熱です。
しっかりした気密を取ることが、温かい家の秘訣なのです。
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