これをご覧になった方の大半は『これからYouTuberになりたい』もしくは『登録者1000人未満の新米YouTuber』かと思います。
私はYouTuberとして、本格的に活動を始めて約2年。サラリーマンのかたわら動画制作をしています。
2020年4月に収益化。2020年11月現在の登録者数は1800人ほど。
新米YouTuberさんにとって、ちょっと気になる『ちょうどいい目標』なんじゃないかなと思います。
そんな私の収益化までの戦略と、これまでに培った動画制作のノウハウを全て公開します。
新米YouTuberさんのスタートアップ教材として、私の実践経験を踏まえた『手の届く参考書』として活用していただけるよう、収益状況や様々なデータも掲載しています。
かなりボリュームがありますが、きっとお役に立てることと思います。
- Ⅰ.『楽しむ人』が稼げる時代
- ・何より動画制作が好きであること
- ・登録者数1000人までの道のり
- ・収益公開!再生単価は0.1円ではない
- Ⅱ.実践にもとづく動画制作ノウハウ
- ・撮影機材はスマホで十分
- ・編集ソフトだけはお金を使え!
- ・撮影スタジオが必要な2つの理由
- ・顔出しする?しない?
- ・ジャンプカットでテンポ良く!
- ・動画の命は『テロップと効果音』
- Ⅲ.コンテンツの作り方とコツ
- ・大中小のテーマを決める
- ・毎日投稿は必要?
- ・ネタの探し方
- ・狙うは少し上と少し下のチャンネル
- ・広告主がいることを忘れない
- ・短い動画よりは長い動画
- ・初心者にはハウツー動画がオススメ
- Ⅳ.ブランディングとインプレッション対策
- ・チャンネルアートとアイコン
- ・サムネイルが命
- ・再生リストの活用
- ・関連動画と検索
- ・タイトル・説明欄・タグなど文字情報の最適化
- ・エンディングの制作と終了画面の設定
- Ⅴ.ここまでのまとめ『大切な3つのこと』
- Ⅵ.さらなる高みへ!広告戦略
- ・収益化後は登録者数より大切なものがある!
- ・SNSの活用
- ・有料広告の活用
- Ⅶ.あとがき
Ⅰ.『楽しむ人』が稼げる時代
まずは、新米YouTuberとしての心構えと、チャンネル登録者1000人を達成するまでの具体的なビジョンを見ていただきましょう。
・何より動画制作が好きであること
YouTuberとして何より大切なのは『動画制作が好きであること』です。
YouTubeに動画投稿を始めようと思った方の大半は、広告収益を得ることに魅力を感じたからだと思います。
もちろん私もそうです。
ですが、お小遣い稼ぎが1番の目的であれば、かなりの確率で挫折するでしょう。
なぜなら、YouTuberは過酷だからです。
スタートアップ時は、当然ながらチャンネル登録者は0人。
動画をアップしても、100回も見られないケースが大半です。
毎日動画をアップし続けても、月に10人程度しか登録者が増えないかもしれません。
それでも
やり続けれられますか?
耐えることができますか?
耐えるという表現は間違っていますね。
『動画制作を楽しめるのか?』がYouTuberの本質です。
YouTuberに限らず、仕事においても『楽しめる人』が『稼げる人』という時代になりつつあります。
あなたが楽しんで動画制作を進めていれば、必ず登録者は増えていきます。
・登録者数1000人までの道のり
新米YouTuberとして、とりあえずの目標は収益化ですよね?
収益化の条件はこのようになっています。
・総再生時間が直近の 12 か月間で 4,000 時間以上
・チャンネル登録者数が 1,000 人以上
総再生時間4000時間は、あまり気にしなくても大丈夫です。
やってみればわかりますが、登録者1000人の方がよほど大変です。
一般的には登録者1000人になるころには、自然と再生時間もクリアーしているはずです。
まずは、私のこれまでの軌跡を参考例として紹介します。
本格的に動画投稿を始めたのが2018年の年末。
当時の登録者数で50人くらいでした。
グラフを見てもらえばわかると思いますが、はじめのうちは登録者数が全然伸びません。
それこそ、1日に1人いるかいないかです。
丸一年でやっと800人に達するという状況です。
ですが、徐々に成長曲線は上向いていきます。
1000人直前のころには、月に50人程度。そこを超えると月100人以上の時も出てきます。
チャンネル登録者数1000人を達成し、収益化できたのが2020年4月。
ここまで約1年半かかったことになります。
もちろん成長スピードは、選ぶテーマやチャンネルの作り方にも左右されます。
ですが私のような一般人が、片手間でYouTuberをやる場合は概ねこんな感じになると思います。
新規チャンネル立ち上げから収益化までは、概ね1年~1年半かかると思っていた方がいいでしょう。
・収益公開!再生単価は0.1円ではない
では、皆さんがもっとも知りたいであろう、チャンネル登録者1000人でいくらの収益になるのか?
私のデータがこちらです。
※収益内容のデータはnoteでの有料公開としております。
https://note.com/nejitora/n/nb60e1023449a
Ⅱ.実践にもとづく動画制作ノウハウ
ここからは動画制作のポイントを解説します。
資金に余裕のない新米YouTuberは、不必要な出費は避けたいもの。
『お金を掛けずにできること』『お金をかけてでもやるべきこと』
私の実践にもとづく、動画制作ツールとテクニックを公開します。
・撮影機材はスマホで十分
YouTuberの必須機材と言えば、一眼レフ+ガンマイクというイメージがありますよね。
より高品質な映像を作る場合は効果的ですが、導入には安くても10万円はかかります。
私のカメラは基本的にiPhoneのみ。
中途半端なカメラを買うより、よっぽどキレイな映像が撮影できます。
ほとんどの場合、まず困ることはありません。
機材を購入する優先順位を付けるとすれば、私の場合はこんな感じ。
1位 マイク
2位 照明
3位 高性能カメラ
1位にマイクを選んだのは、聞こえにくかったり雑音が多いと、視聴者としてはストレスになるからです。
集音能力が高いガンマイクを使えばクリアに聞こえ、屋外ロケが多い方はピンマイクの方が雑音を拾いにくいのでおすすめです。
照明に関しては、明るいほうがレンズへの集光量が多くなり、鮮明に撮影できます。
色味や配光を調整することで、空間の雰囲気を変えることもできます。
何よりお値段が安いので、映像品質をあげるためのコスパはバツグンです。
設備投資については、最後に高性能カメラで十分です。
使いこなして初めて効果が出ますので、めんどくさがりの方はiPhoneの方がぱっと撮れるので楽ですよ。
ちなみに、私が現在使用している機材一式はこんな感じです。
ほぼ三脚ですが、三脚は意外と大事。
カメラを机の上に置いて撮影すると、机に手が触れたりするだけで振動を拾ってしまいます。
その場合は、少し離れたところに三脚を立てると効果的です。
また、カメラの高さやアングルを自由に調整できますので、1つ持っておくと何かと便利です。
外ロケ用には、スマホを横向きにホールドするグリップが便利。
これを使うと持ちやすいので、手振れや不用意な動きを減らすことができます。
ちょっとしたことですが、これが結果的に見やすい映像につながります。
・編集ソフトだけはお金を使え!
基本的に、新米YouTuberは撮影にお金をかける必要はありません。
ですが絶対にお金をかけたほうがいいものがあります。
それが編集ソフトです。
そもそも編集は必要なのか?
これは絶対に必要です!
不要な間をカットしてテンポをよくしたり、つまらないシーンでも効果音で盛り上げることもできます。
言い間違いや聞き取りづらいセリフも、テロップがあればなんとかなります。
このように編集の有り無しでは、動画の仕上がりは天と地ほども違うと肝に銘じておくべきです。
それを踏まえたうえで編集をするのですが、iPhoneで撮影した場合はiMovieなど無料で使えるアプリがあります。
それ以外にもパソコン用の無料ソフトも出回っています。
ですが、これらはおすすめしません。
まずスマホアプリで編集する場合、画面の小ささがネックとなります。
加えて編集機能も最小限ですので、できることは限られてしまいます。
パソコン用の無料ソフトも、結局のところは機能に限界があります。
そこで、パソコン用の有料ソフトを導入することをおすすめします。
私が使っているのはフィモーラというソフト。
フィモーラ
https://filmora.wondershare.jp/
永続ライセンスでも¥9,000程度と破格なのですが、動画編集に必要な機能のほとんどを備えています。
動画編集初心者には大変おすすめのソフトになっています。
実際私も2年前からずっと使用していますが、使い方も簡単なうえに機能も充実していて満足しています。
そのほかにも、プレミアプロ、ファイナルカットなどが有名どころです。
これから動画編集を学ぶのであれば、これら3つのうちのどれかを購入するべきです。
お金がないからと言って無料ソフトでケチらず、これだけは投資と思い1日でも早くソフトに慣れ、技術を向上させることの方がメリットが大きいのです。
・撮影スタジオが必要な2つの理由
撮影スタジオといっても大がかりなものではありません。
語る系や教育系ジャンルの場合は、屋内での撮影になりますので、その場所という意味です。
撮影スタジオが必要な理由は2つあります。
一つは『背景を整え見栄えを良くする』こと。
雑多な生活感満載の空間が動画の背景では、どうしても視聴者の受け取り方がマイナスになってしまいます。
ちょっとこましな家具や、観葉植物。小道具や絵画などのインテリア。
そういったもので空間を整えることは、動画のクオリティを上げることにつながります。
使ってない部屋、もしくは部屋の使っていない壁を背景にしてもいいと思います。
そこだけを重点的に整えればいいのです。
何もお金をかける必要はありません。
今、家の中を見渡して、使えそうなものを集めるだけです。
背景を整えるという意識こそが大事なのです。
そうすることで見栄えが変わり、雰囲気がグッと向上するはずです。
二つ目の理由は『撮影効率を上げる』ことです。
屋内撮影の場合、背景を決めてしまえばカメラ位置も固定されます。
動画を撮影するたびにアングルの確認をする必要も無く、カメラセッティングの時間を省略することができます。
準備時間を短縮し、撮影のための時間に集中できること。
そしてクオリティの高い映像を量産するために、スタジオは必要なのです。
私の場合は残念ながら、リビングの一角を利用するしかありませんでした。
それでも背景に映り込むものは極力気を使っていますが、それでもあふれ出る生活感はぬぐえません。
撮影のたびに三脚を立て、カメラのアングルを確認するのにも意外と時間を取られるものです。
・顔出しする?しない?
これはYouTuberとしてはかなり悩むポイントかもしれません。
私のように本業でサラリーマンをやっていると、顔を出すことがデメリットになる場合があります。
私もスタート段階では顔出しをせず、胸から手元のアングルで撮影をしていました。
あるとき、視聴者さんから「サングラスやマスクでもいいので顔を出してほしい」とコメントをいただきました。
そこから『サングラスとニット帽』を着用したうえで顔出しをする、今のスタイルが定着しました。
顔は出しているが変装している状態なんですが、これでも効果てきめん。
視聴時間や登録者数が目に見えて変わりました。
人柄や雰囲気が伝わるほうが、視聴者としては親しみやすくなるのでしょうね。
そういう意味ではサングラスも無く、素顔を出す方がより効果的なんでしょうが、そこはそれぞれの事情に合わせた顔出しでいいと思います。
顔出しに関しては一点だけ注意すべきポイントがあります。
それは『アップに耐えうる美男美女はそう多くない』ということです。
芸能人ならいざ知らず、一般人の画面いっぱいのアップは、なかなか耐え難いものです。
大事なのは雰囲気を伝えることであり、画面に占める顔の割合は控えめのほうが望ましいです。
私の場合は画面の1/3までにとどめるように、画角には注意をしています。
・ジャンプカットでテンポ良く!
次は編集のお話になります。
トップYouTuberも採用している『ジャンプカット』という技法があります。
ジャンプカットとは、撮影した動画から不要な間を徹底的にカットする技法です。
そうすることで素人にありがちな動画のもたつきを解消し、情報量を凝縮することができます。
『メンタリストDaiGo』さんのように早口で凝縮した情報量を届けることが、最近のYouTubeでのトレンドになっています。
これは誰でもできることではなく、その人の技術であり経験や練習あってのことです。
それと同じ効果を生むのがジャンプカットです。
場合によっては『完成した動画が撮影時間の半分になる』なんてケースもありますが、テンポがよくなることで視聴者の離脱率が減少し視聴時間の延長につながります。
・動画の命は『テロップと効果音』
しゃべりだけで多くの聞き手を満足させられる人は、そう多くはいないと思います。それができれば講演など、違う道も開けるはずです。
しゃべれることは才能や技術ですが、我々が戦う場所はYouTubeです。
足りないものがあれば、別の技術で補えばいいのです。
それが編集です。
どんな動画であっても、効果音を入れるだけでそのシーンが強調され、華やかになり、視聴者にとっても面白く感じることができます。
入れすぎは耳障りですが、ある程度は効果的です。
テロップに関しては先述した通り、聞き取りにくいセリフを補完したり、間違った情報を訂正したりできます。
加えて重要なのが、言葉を目で見ることができるということです。
座りアングルの固定撮影であっても、テロップが次々と入ることで動画としての躍動感がでます。
それは見る人を飽きさせない演出の一つとなります。
私の場合はできるだけ多くテロップを入れるようにしています。それこそ字幕に近い量です。
そうすることで動画の情報量を上げる効果があります。それに加えて、もう一つ重要なポイントがあります。
それがミュートでも動画が見れるということです。
電車の中など音が出せない環境でも、映像だけでも見てもらうことができます。
それは視聴機会を増やすことであり、視聴回数を増やすことにつながります。
Ⅲ.コンテンツの作り方とコツ
この章では動画コンテンツの作り方とコツについて、私が実践している内容についてご紹介します。
コンテンツとはいわゆるネタであり、YouTuberにとっては生命線とも言えます。チャンネルを活性化させるために、コンセプトにのっとりながらも柔軟性のある展開が必要になってきます。
・大中小のテーマを決める
YouTubeチャンネルの核でもある、チャンネルのテーマを決める必要があります。テーマを決めずに始めたとしても、徐々に絞っていった方がいいでしょう。
その方が、視聴者としては『何の動画を上げているチャンネルなのか?』がハッキリしますので、チャンネル登録しやすくなります。
テーマは大きく分け大・中・小の3つぐらいを考えておくといいです。
大テーマはズバリ核となる部分。
例えば『きまぐれクック』さんだと、魚をさばくというのが大テーマになります。
これを固定することで、チャンネルのコンセプトに一本の背骨が通り、統一感が生まれブランドとなります。
中テーマとしては、定番の市場ロケであったり、釣りや他のYouTuberとのコラボなどがそれにあたります。
小テーマに関しては、各種魚の種類を変えることや、猫のトラちゃんを出したり、商品紹介をしたりといったところです。
これらをベースに考えておき、随時組み合わせながらコンテンツを作っていきます。
たまには、質問コーナーや撮影の裏側紹介といった番外編を挟むことで、よりファンとの距離を縮めることができます。
いずれにしても視聴回数などをモニターしながら、改善を加えていく必要がありますが、まずは大テーマだけは決めておくとチャンネルの構成が組みやすくなります。
私はこのテーマ決めず、チャンネルをスタートさせましたので苦労しました。
現在では効果測定をしながら、人気のあるテーマを絞り改善を繰り返しています。
・毎日投稿は必要?
YouTuberと言えば『毎日投稿』ですが、はたして本当に必要なのか?
実際やるとかなり大変ですので、効果のほどを説明したいと思います。
YouTubeの仕組み上、チャンネルの動画本数が多いほど評価も高まります。一度視聴されると、同じチャンネル内の動画が紹介されるといシステムもあり、動画本数は多いほうが効果的と言えます。
その上で、チャンネル立ち上げ時などは視聴者数を急激に拡大させる必要があり、毎日投稿という荒業で動画本数を稼いでいるのです。
いわば修行みたいなものです。
この毎日投稿ですが、YouTube側からどのような評価があるのかはわかっていません。毎日投稿するからおススメされやすいということは無いと思っています。
実際、毎日投稿しなかったからといってインプレッション数が目に見えて落ちるわけではありません。
ただ、市場原理として永遠に見続けられる動画はありませんので、徐々に視聴回数は落ちていきます。
私の考えは、基本的にはできる範囲で投稿すればいいと思っています。
無理のない範囲で、出来れば週1回ぐらいのペースであれば、チャンネルの成長には問題ないでしょう。
・ネタの探し方
ネタ探しは常にYouTuberを悩ませます。
何でもいいわけではなく、やはりトレンドに乗って視聴回数が跳ね上がるようなものが欲しいわけです。
あるいは、長期的に視聴回数を稼ぎ続けられる動画があれば、チャンネルとしては安定感が増します。
私はどちらかというと、思いついたものをとりあえず作ってみるというタイプですが、ある程度の予測を立てて撮影するかの判断をしています。
それがネタ探しのようになっています。
では、どうやってネタを探すのか?
①ニュースなどの時事ネタ
これは世の中がそのトレンドになっているので、初動が早ければ視聴回数が稼げます。しかし、そのニュースに対して専門知識がなければ視聴者は離れてしまいます。
私の場合、時事ネタは自分の得意分野に合致した時だけにしています。
②グーグルトレンド
https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP
今現在の世界中、あるいは特定地域での検索トレンドを表示できます。
これも言わば時事ネタになりますが、WEBコンテンツなのでYouTubeとの相性がいいわけです。
ただし、こちらもスピード勝負。タイミングを逃せば効果は薄いです。
③他のチャンネルからパクる
パクるという表現はよろしくありませんね。
正しくは『参考にさせていただく』です。
他のYouTuberの動画で、視聴回数が伸びているネタに合わせていくのです。
こうすることで、その動画の関連動画にも出やすくなりますので、まったくのオリジナルを作るよりは流入が見込めます。
もちろん丸パクリはダメですよ。
オリジナルに敬意を払う気持ちを忘れず、ありがたく乗っからせていただきましょう。
・狙うは少し上と少し下のチャンネル
先ほどの続きになりますが、他のチャンネルの動画を『参考にさせていただく』というのは、大変有効な戦略です。
特に新米YouTuberは、おんぶにだっこでチャンネルが成長するのであれば、活用しない手はありません。
では、どのあたりの動画を参考にするのか?
この場合、ヒカキンさん、ヒカルさん、ラファエルさんなどのトップYouTuberを参考にするのはオススメしません。
新米YouTuberが戦うのは、同じジャンルのランクの近い人たちです。
自分のランクの少し上、あるいは少し下のあたりを重点的にチェックするのです。
良いか悪いかという話は置いといて、これは同業者と戦い結果を出す戦略なのです。同じジャンルの少し上のチャンネルから視聴者を取り込み、少し下からもいいネタは取り入れ突き放す。
これが弱者が強者と戦うためのランチェスター戦略なのです。
もう一度注意をしておきますが、参考にしたネタへの敬意は忘れないでください。
・広告主がいることを忘れない
ネタの探し方については、なんとなくイメージができたかと思います。
では、膨大なネタの中から何を選べばいいのか?選ぶ際の選考基準について解説します。
タイトルにも書いた通り、広告主がいることを忘れてはいけません。
YouTubeのビジネスモデルは、優良な動画に広告枠を付けることで成り立ちます。広告枠をに対してお金を出した企業に、費用以上の効果を提供するのがYouTubeとしてのビジネスです。
それに乗っかるのがYouTuberですので、『企業が広告を出したい動画を作ってくれてありがとう』の報酬が広告収益です。
そう考えると、おのずとYouTubeが求める動画が見えてくるかと思います。
企業のイメージアップとなる質の高い動画には、当然広告枠が付きやすいので、YouTube側としてもこういった動画のインプレッションを増やしてきます。
対して、質の悪い動画、イメージの悪い動画は必然的にインプレッションが下がります。また、お金に直結しない子供向けなど、お金を潤沢に使えない年齢層向けも同じことが言えます。
広告主、YouTube、YouTuberと、この三者全てにメリットが生まれる動画こそが、一番求められていることなのです。
・短い動画よりは長い動画
もう一つYouTube側が求める動画について解説します。
YouTube広告にはミッドロール広告と呼ばれるものがあります。ミッドロール広告とは、動画の中間に登場する広告のことです。
このミッドロール広告ですが、すべての動画に付くわけではありません。
8分以上の動画のみに設定可能となっています。少し前でしたら10分以上となっていましたので、多少緩和されましたが、それでもある程度長い動画を優遇するというのがYouTube側の意図として存在します。
これは、長い動画のほうがより多くの広告枠を設定しやすいからです。
少し切り口を変えると、多くの広告を見てもらえる視聴時間の長い動画が優遇されるのです。
つまり、視聴維持率が高く、動画自体も長いものが良いということです。
最低8分の長さを確保した上で、より長い視聴者に滞在してもらえるよう工夫する必要があります。
私もこのことに気が付くまでは、平均視聴時間は1分程度でした。それを改善していき、現在は3分程度まで伸びています。
・初心者にはハウツー動画がオススメ
専門知識をわかりやすく解説する『ハウツー動画』は、先ほどの視聴維持率が確保しやすく、どんなに長くても見てくれる傾向にあります。
具体的にはDIYや専門ソフトの解説などがそれにあたります。
このハウツー動画の特徴としては、必要な人しか見ないことにあります。
必要としていない人は、動画開始後10秒で離脱しますが、必要な人はほとんどが最後まで見ます。
加えて、動画の作りや説明が未熟であっても、わかりにくいところは繰り返し見ることができますので、YouTubeというプラットホームにあっているのです。
一般的に視聴維持率のグラフは滑らかな曲線を描きますが、このハウツー動画のみは必要とされる部分が途中で盛り上がるグラフとなります。
そのことから、少々雑な動画でも、ある程度の長さがあれば視聴時間を確保しやすいジャンルであると私は思っています。
もしあなたに語れる専門知識があれば、新米YouTuberにとっては非常に強力な武器になります。
Ⅳ.ブランディングとインプレッション対策
Ⅲ章でテーマの重要性について解説しました。
このテーマがしっかりと固まっているのであれば、そこからチャンネルのブランディングを進めていきましょう。
あわせて技術的なインプレッション数の向上を図ることで、より露出が高まりファンが付きやすくなります。
・チャンネルアートとアイコン
各チャンネルのホーム画面には、チャンネルアートとアイコンが設定できます。これらはチャンネルのイメージを明確に伝えるとともに、ブランドを構築する重要なツールとなっています。
チャンネルアートに関しては、Ⅲ章で決めたテーマに沿った内容でデザインするといいでしょう。
その場合、画像だけではなく、更新頻度などの情報を記載しておけば、そこをみた視聴者にとっては一番目に付く場所になります。
アイコンに関しては、チャンネル登録の際や、コメント欄などにも表示されます。サイズ感を考慮し、一目で判別できるシンプルなものがいいですね。
こういったデザインは、テーマにのっとって統一することで一気にチャンネルの質が向上します。逆に未設定のままだと、チャンネル登録しようという気さえ起きないかもしれません。
チャンネル開設の際は、早い段階で設定されることをおススメします。
こういったデザインを作るには『Canva』がオススメです。
https://www.canva.com/
ロゴはもちろんYouTubeのチャンネルアートのテンプレートもそろっています。しかも洗練されたデザインで、それを部分的に変更していくだけです。
デザイン初心者であっても、まず間違いなくセンスのいいものが作れます。
もしくは『ココナラ』で発注するといいでしょう。
よりオリジナリティあふれるデザインを求めるのであれば、使ってみる価値は十分あります。
私もアイコンはココナラで作ってもらいました。
・サムネイルが命
その動画が見られるかどうかは、サムネイルのデザインにかかっているといっても過言ではありません。
動画配信のプラットフォームであるYouTubeでは、あなたの動画がインプレッションされた際、サムネイルしか見えません。
正確にはタイトルの前半とチャンネル名も表示されますが、膨大な動画をスクロールしていると、結局サムネイルでしか判断できないのです。
つまり、あなたの動画を見てもらうには、サムネイルのデザインこそ最大限の努力をする必要があります。
私も最初のころはサムネイルの設定をしていませんでした。サムネイルを設定し始めたころから現在までも、文字サイズや色彩、レイアウトなど様々なことを試して改善してきました。
いまいち視聴回数が伸びない動画も、サムネイルを変えると改善することが多々あります。定期的に効果測定し、レスポンスの悪いものはリフレッシュするのがいいでしょう。
そんなサムネイルの作成はどうすればいいのか?
イラストレーターやフォトショップなどソフトが必要なのか?
私はiPhoneのアプリで『Phonte』を使っています。
動画のキャプチャー1枚を用意し、文字を工夫して配置するだけ。
サムネイルはいろいろなソフトで作れますが、私はこれが一番手軽で効果的でした。
・再生リストの活用
YouTubeには動画を任意のタイトルでまとめる『再生リスト』という機能があります。ご存知の方も多いと思いますが、誰でも自由に作ることができ、公開・非公開が選べます。
この再生リストを活用することで、一つの動画を複数の切り口で露出することが可能です。
例えば『アニメ○○の曲を歌ってみた』という動画を作ったとしましょう。
これの再生リストを作るとすると
・アニメ○○ネタを集めてみた
・アニメの曲を歌ってみた
・女性シンガーの曲を歌ってみた
・アニメ○○のコスプレをしてみた
などなど、アイデア次第でいくらでも作ることができます。こうすることで、様々な入口から自分の動画にたどり着く扉が開くわけです。
もう一点、再生リストに入れた動画同士は、YouTube側から関連が高いと判断されます。ということは、再生リストに入れた動画同士で関連動画として表示される機会が増えるのです。
このように、既存の動画を再生リストに入れるだけで、再生回数の向上につなげることができます。動画を作らない日は、ぜひこういった作業もやってみましょう。
・関連動画と検索
新米YouTuberには、残念ながらファンがいません。いてもごく少数なのです。
そんなチャンネルの動画を見てもらうには、YouTubeの関連動画に表示されるかWEB検索にひっかかる必要があります。
これらはSEO対策に似ているところもあります。
ですが大きな違いが、YouTubeは動画配信プラットフォームであること。
AI技術が発展途上の現在ですが、動画の内容を自動で判別できるほど技術は進んでいません。
結局のところ、タイトルや説明欄などの文字情報を頼りに分類されるのです。
つまり、この少ない文字情報をいかに最適化するかが、動画の露出を上げる一つの方法となるのです。
・タイトル・説明欄・タグなど文字情報の最適化
先ほどの項目で、YouTube上で少ない文字情報を最適化することが大事と書きました。
では、どんな文字情報があるのでしょうか?
・タイトル
・説明欄
・タグ
大きくはこの3つしかありません。
ここに効果的と考えられるキーワードを盛り込まなければ、関連動画にもWEB検索にも引っかからないのです。
まずタイトルに関しては、ある程度短く簡潔な方がいいです。サムネイルと同じで、インプレッションの際に人が見て判断する情報と考えておきましょう。
最低限、重要なキーワードのみ入れるようにしてください。
次に説明欄ですが、3行程度はインプレッションの際に表示されます。基本的にはこの3行に必要なキーワード全てを盛り込んでください。
場合によっては4行、5行となっても構いません。
表示されないだけで、検索にはある程度有効です。
その他、説明欄にはチャプター(タイムコード)を付けれます。チャプターとは動画の目次であり、動画の内容に切れ目を入れ、文字情報で補足することができます。
これにより、より検索に引っかかりやすくなります。
進行状況バーにチャプターを追加する
https://support.google.com/youtube/answer/9884579?hl=ja
最後にタグについてです。
以前は関連動画のかなめとして重宝されていました。
関連動画にしたい動画のメタデータを確認して、そこに記載されているタグと同じものを入力します。するとそのタグの一致により関連動画として扱われるのです。
ですが、現在のYouTube側からの公表ではタグの機能は大きくないとされています。ですが、タグの機能が残っている限りインプレッションへの影響はあると思ています。
ここは可能な限り関連するキーワードを入れておくべきでしょう。
・エンディングの制作と終了画面の設定
YouTubeの動画を見ているとエンディング画面を作っている場合があります。これはおすすめの動画や最新動画への誘導をするもので、動画投稿時に設定することができます。
単に動画の終わりに表示させるだけでは、他の情報と被ってしまいますので、別途エンディング動画を作成し挿入する必要があります。
エンディング動画は10秒程度でかまいません。
動画を最後まで見てくれた視聴者ですので、同様の動画に興味を持ってくれる可能性は非常に高いです。
そんな貴重な視聴者への告知と、それを見るか判断する時間を与えるのがエンディング動画の意味合いです。
その他にも『カード』という告知を挿入することができます。
動画の途中などに、関連度が高い別の動画へ誘導することが可能ですので、積極的に活用すべきです。
Ⅴ.ここまでのまとめ『大切な3つのこと』
ここまでで1万文字をオーバーしていますので、一旦まとめたいと思います。大切なことを3つに絞ってみました。
①テーマをしっかりと決める。
②カット、テロップ、効果音など編集に力を入れる。
③サムネイルと文字データが視聴回数を左右する。
ひとまずはこの3つに力を入れてみてはいかがでしょうか。
意識するだけで全然変わってくると思います。
他も重要ですが、徐々に自分のものとしていただければ大丈夫です。
Ⅵ.さらなる高みへ!広告戦略
この章では、収益化を見越した広告戦略でさらなる成長を目指します。応用すれば、チャンネルのスタートアップを効率的に成長させることも可能です。
今の自分に合った方法を取り入れてください。
・収益化後は登録者数より大切なものがある!
収益化するまでは登録者1000人が目標となります。ですが、収益化してしまえば登録者数はあまり関係なくなってしまいます。
大事なのは、視聴回数。広告をいかに多く表示させるかが一番の目的になってきます。
ですが、今後チャンネルの成長には固定のファンの力も必要であることは忘れてはいけません。その判断の目安がチャンネル登録者数なのです。
チャンネル登録者はファンそのもの。
あなたのチャンネルに対する通信簿なのです。
・SNSの活用
新規視聴者の流入とファンとの交流に、SNSの活用は非常に効果的です。
Twitterやインスタグラム、何でも構いません。
特にSNSに先行してフォロワーがいる方は強いですね。そのままYouTubeに誘導しない手はありません。
フォロワーがいなかったとしてもSNSは活用できます。
新規動画の公開時は、必ず告知をしてください。ハッシュタグや検索キーワードで、その投稿が露出する可能性は大いにあります。
同じ動画投稿という意味では『TikTok』も効果的です。
YouTube用に作った動画をショートバージョンに作り直す手間はかかりますが、ビューの仕組みはYouTubeとは全然違うものです。
YouTubeで1000回がやっとという動画も、うまく当たればあっという間に数十万回というビューが手に入ります。
当然そこからYouTubeへの誘導も可能ですので、使い方次第では強力なツールになります。
いずれにしてもお金がかかるものではありませんし、時間もそれほどかかりません。
複数のメディアからつなげるということは効果的です。
・有料広告の活用
YouTube動画をそのまま広告として、YouTubeに表示させることができます。鴨頭さんがその代表格で、彼は動画収益のすべてを広告に回して登録者数(ファン)の獲得拡大に使っています。
これはお金のかかることですが、明確に効果が表れます。
私の場合5000円程度を使って2000ビューぐらいを獲得することができます。
チャンネルの成長時に投資としてやるには、十分な効果を発揮しますが、収益化後でもいいかと思います。無理はしないように。
他にもTwitter広告も同様の効果がありますが、フォロワーが多い方だけでいいでしょう。
収益をどのように活用してチャンネルを拡大するかは様々ですが、カメラや照明機材に投資するのもいいと思います。
Ⅶ.あとがき
このたびは、私の記事を読んでいただき、ありがとうございました。
新米YouTuberとしての心構えと、わずかながらの希望になれば幸いです。
もしよろしければ、ご感想などをいただければ励みになります。
Twitter:https://twitter.com/nejitora
最後になりましたが、これを読んでいただいた皆様が、YouTuberとして成功することを心より楽しみにしております。
コメント
大変勉強になりました。さすがプロのアドバイスですね。収益化してしまえば登録者数より視聴回数のほうが大事ですか。詳しい説明ありがとうございます。