建築基礎知識:910モジュールはどこからどこが910???

木造住宅の業界にいると、当たり前だと思っていても一般の方にはなじみのない知識も多くあるものです。今回は、建築のモジュールについて、SketchUpユーザーさんからご質問をいただきました。
『910モジュールは、どこからどこまでが910㎜なのでしょうか?』
そうですね、初めて聞く方はわからないでしょうし、建築の初期知識なのでネット上にも解説は少ないかもしれません。
ということで、SketchUpでモデルを作るための建築基礎知識として、モジュールについて解説したいと思います。

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モジュールとは

まずはモジュールについて、一番有名な話はコルビュジェのモデュロールでしょう。
独自の寸法体系を確立し、それを規格化することで効率よく建築を作る近代化の方法でした。
ウィキペディア:モデュロール

日本においても、尺貫法などの単位の基準は古くから存在していました。
その名残もあり、木造住宅においては910/950/1000などのモジュールが一般的に使われています。
このモジュールに合わせて柱や壁を配置することで、現場でも間違いが少なく、材料のロスも少なくなるのです。実際、販売されている建材の寸法も、これらのモジュールに合わせて作られています。

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モジュール上に柱芯

今回は一般的な木造住宅に使われる、木造軸組構法について解説します。木造軸組構法とは柱と梁で構成される、日本の木造住宅の大半に使われている構法です。
この場合、モジュールのグリッド上に柱の芯が来るように配置します。

今回は910モジュールとし、補助線は910㎜でグリッドにしています。
そのグリッドの交点に柱の芯を配置します。これが910モジュールの基本です。

柱寸法は一般的な105㎜角(3.5寸角)としています。4寸角(120㎜角)の柱になっても、柱の中心位置は変わりません。

1間?半間?

この1モジュール(1グリッド)のことを半間(はんげん)と呼びます。
半間ということは、半分じゃないサイズもあるわけで、2グリッドで1間(いっけん)と呼びます。

さらに、半間の半分(455㎜)のことを小間中(こまなか)あるいは間中(まなか)と呼びます。
なので、モジュールを決めた後は、1間、半間、小間中で柱を配置していくことを基本とします。

リフォーム現場で覚えておくこと

応用編として、リフォーム現場でのモジュール確認の方法をご紹介します。すでに柱が配置されている現場で、モジュールがいくつなのかを確認したいとき。

柱の寸法を測って、柱の芯を割り出し、柱の芯~芯を測る。

というのが正しい方法ですが、これでは手間がかかってしまいます。
なので、柱の角~角を測ることで柱の芯を割り出す手間を省くことができます。

柱のサイズが同じなら、柱の右端から右端を測っても910となる。
当たり前のことではありますが、これを知っているだけでリフォーム現場の調査スピードも変わります。スケッチアップでの作図の際も応用がききますので、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。

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